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流通業・流通システムにおけるシステム設計の実務ノウハウが満載−流通工房

<要件定義2(業務ロジック)>
企画・特売
<吉田君>
 「特売」ってよく新聞とかに入っているチラシのことですよね。今日の打合せの中で「企画」
 という言葉も出ていたのですが、どのようなものなのですか?

<早瀬>
 企画というのは例えば4月いっぱい実施する「新春フェアー」のようなものだ。季節的なもの
 が多いね。その季節に合わせた商品を一角にまとめてPOPなどで目立つようにしたり、商品を
 大量にそろえて販売に力を入れる。

 特売は吉田君がいったようなチラシ広告のものだね。大体金曜日〜日曜日にかけて実施される。
 なお、この企画、特売というのは小売にとっては非常に重要なものでありそれだけにロジック的
 にも注意することが多いのできちんと整理し抑えておく必要がある


【ポイント】
企画、特売は企業の販売計画において非常に重要なものであり、その計画から発注、店頭での
販売、そしてその販売結果まで含めてその企業の様々な意向、ロジックが組み込まれている。
以下にその中でも共通的な重要ポイントをまとめておいた

1.売価
  企画、特売は小売にとってもっとも重要な販売戦略であり、当然それには売価の変更が伴う。
  具体的には、通常100円の商品が4月の「新春フェアー」の場合は90円、さらに週末のチラシ
  特売では80円など。また、特売の中でも「日替わり品」ということでさらに値引きをして
  70円とすることもある。

  そして、特売が終わればまた90円の企画の価格へ、そして企画期間がおわれば元の100円に
  もどる。この売価の設定は当然、本部のシステムで行うが、実際に販売をする「店舗」の
  レジ(正確にはストコン=ストアコンピューター)と連動する必要があり、システム導入時
  のテストにおいてはきちんと売価が変動するかを検証することが重要

2.広範囲にわたる業務
  企画、特売はいわゆる「計画系」業務の中心だが、そこから上記に書いた売価変更、その他
  POPやチラシ作成、プライスカードの発行、そして場合によっては通常は店舗発注の商品に
  ついても本部で一括して発注し店舗へ送り込むなど発注業務にも関わってくる。

  主に、売価変更やプライスカードの出力などは、「マスタ管理」の管轄であるし、POPや
  チラシについては外部へ依頼をしたり、自社内の部門で作成をするなど様々だが売価や画像
  などのデータの受け渡しは必ず発生する。
  
  また、当然「発注」は発注業務との連携となるため、このロジック部分の設計担当者はそれ
  ぞれのサブ機能担当者と十分に連携をする必要がある。できれば、過去に流通系システムの
  構築経験があり、一連の業務の流れを抑えており、このトピックにあるような基本的な業務
  知識を持っているメンバーが担当することが望ましい

3.商品の発注先
  基本的に商品の発注先(卸)は小規模であれば1箇所、ある程度の店舗数があるところでは
  エリア単位などで決まっている。ただ、この企画、特売の場合で本部で一括して発注する
  ケースなどでは、発注数が大きいことから取引先が変更になったり、また仕入原価などが
  変わるケースがある。

  よって、企画、特売と絡む発注機能ではデフォルトでは定番の取引先を表示するが機能と
  しては取引先を選択、変更できるようにしておく必要がある(あるいは既に企画、特売の
  計画段階で発注先を指定するケースなどもあるためヒアリングにより十分に業務の流れを
  抑えておくことが重要)



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