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<システム化計画> |
<吉田君>
現行の業務フローについては既にあったのでもらってきました。ゼロから作成すると
大変だから助かりましたね
<早瀬>
よし、それをベースに以下のポイントで整理をしておきヒアリングの基礎資料としよう
●整理ポイント
・日、週、月、年の時系列による整理
→毎日行う業務、決められた曜日、週初め、週末などに行う業務
同様に月、年で特定の日や月初、年初や月末、年末に行う業務に整理
・時間の時系列による整理
→上記の日、週、月、年の時系列単位の業務について、それがどの時間帯で実施される
ものなのか、あるいは1日の中で任意のタイミングで行われるのか、タイムリミット
の有無とタイムリミットがある場合はその時間について整理
・部署をまたがる作業については情報連携の方法(紙、TEL、FAX、システム)
<吉田君>
うわっ、大変ですね。
業務フローもらえたからこのままでよいと思っていましたよ
<早瀬>
この業務フローは私たちが顧客業務を理解するための資料として重要であり、ヒアリング
のベースにもなる。
その際に、ヒアリングの「軸」を明確にしてこちらで誘導しながら聞いていくことは非常に
重要だ。
そうしないと、最初から上記の時系列や情報連携を意識しないで業務の流れを話し出し
その中で、「そういえばこういう業務も」という話がでたり、毎日の業務ではないが
非常に面倒だったり大変な業務は印象が強いため、その話ばかりをしたり、あるいは
印象が薄い業務は忘れてしまったりする。
それらを防ぐとともに、この「軸」で聞いてあげることで、逆に話す方も話しやすい。
また、毎日の業務の話をヒアリングしている時に毎日は行わないような業務の話が
出たときに「それは毎日の業務ですか?」といった確認をし、そうでない場合は
「それはまた、週の曜日別の業務について話を聞きますのでその時にしましょう」
と制御することもできる。
また、私たちも業務を理解するときにこういった整理をなしに理解をしようとしても
結構難しいのも事実だ
<吉田君>
そうですね。
この間のプロジェクトでも僕は要件定義フェーズから入ったのですが、毎日行う業務だと
思って設計していたら、実は曜日が決まっている業務でそれを制御する機能を追加してくれ
といって設計の修正になりました。
<早瀬>
そうだね。
この整理のポイントは先ほど言ったように私たちの理解とヒアリングを効率よく正確に
行うためのものでもあるけど、もうひとつ重要なのは今、吉田君がいったように、私たち
は次にこれをシステム機能へ変換をしていくということだ。
その時に、毎日の業務なのか曜日や月末などどのタイミングで実施されるのか。
そして、そのタイミングでしか実施しないようにシステム的に制御するのか。
また、部署をまたがる業務で連携がシステムを使っていないものは今回の仕組みでシス
テムを使うようにするのか、システムを使わない場合でFAXや紙の回覧などの場合は、
そのデータを帳票などで出力するのかなどデータ構造の設計や業務設計、機能設計において
非常に重要な情報になってくる。
【ポイント】
・自分たちが理解するため
・ヒアリングする側が整理をして話しやすいようにするため
・ヒアリングを効率よく正確に行うために私たちが誘導するため
・次のシステム設計においてデータ構造、ロジック、システム制御における重要な
ポイントをあぶりだすため
に、上記の「整理のポイント」を「軸」とすることは非常に重要です。
なお、特に漏れやすいものとしては「発注業務」、それから十分確認が必要なものとして
「締め処理」があります。
●発注業務
基本的には毎日補充発注するもの、曜日を決めて発注するものなどで「整理のポイント」
の「軸」で整理できるのですが、もう1つ、つい確認する側も話をする側も忘れてしまう
のが
・繁忙期(ゴールデンウィークや年末)
・取引先の休業時期(夏休み、年末年始)
の際の発注業務です。
これは業務やシステム機能において特殊なロジック、業務となることが多いので十分
留意してください
●管理帳票
月締めや四半期、半期、年次などで締め処理を行い、管理帳票に出力をし、最終的には
会計システムへデータ連携をします。
その過程で基本的には「一発確定」ということはなく、「仮締め」をして管理帳票を
出力し確認を行い、データが不正の場合はその原因を調査し「修正」をし、再度「仮
締め」処理を行い、OKであれば「本締め」(=基本的には本締め後は修正不可能)と
なります。
この「仮締め」を判断して処理をする部署、値が不正の場合はどの部署において修正
権限があるのか、「本締め」後は基本的には修正不可能だが、猶予期間(例えば、本締め
後も2日間以内であれば修正可能とするなど)があるのかなどの確認が重要です。
そして、システム機能上はこういった「仮締め」の制御をするためのデータ構造上の
管理や、「仮締め」時に粗利などを含めて再計算する必要があり、この処理には時間が
かかるためバッチ処理となりますがこれを、現業部門が画面から実行することがあるため
それらを想定した機能実装も必要になります
※この部分については「制御テーブル」「バッチ起動画面」のトピックに記載をしたので
参照してください
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