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流通業・流通システムにおけるシステム設計の実務ノウハウが満載−流通工房

<基本設計>
【画面設計】
<吉田君>
 流通業ということで画面設計で気をつける点というのはありますか?

<早瀬>
 1つはこの間、実業務を体験した時に中田君たちが気づいた伝票入力画面だ。
 大量のデータエントリーを入力する際に、伝票と画面を見てTabキーと10キーだけで入力する
 からマウスを使わないと画面操作ができなかったり、項目移動できないのは厳しいね。
 もう1つは画面遷移だ。

 店舗のスタッフのメインの仕事は、お客様対応と販売、売場の整理だよね。もちろん、発注
 業務などもその一環といえば一環なんだけど、店舗ではそういった発注作業や仕入時の作業
 でシステムを触っている時間を極力減らすようにした方が良い。つまり、あまり不親切でも
 いけないが、できる限り画面遷移を少なくしておく方がよい。

 例えば何か作業をする時に、検索して一覧を表示してそこから詳細画面などへ行くという
 のが基本の画面遷移だとしたら、詳細画面をメインとしてしまう。
 これは店舗のスタッフにとっては毎日の作業なので基本的な入力コードなどは覚えている
 ことが多いため、検索画面を省いた場合でも業務的には支障がないことが多いからだ。
 もちろん、その業務に初めて携わる人のために、その詳細画面から検索画面が起動できる
 ようにしておくことは大事だね。

 ただ、そういった画面構成でよいかどうかは確認が必要だ。
 顧客によっては、店舗スタッフの入れ替えが多かったり、パートの方にも使ってもらう
 ことが多いので、条件を絞り込んで目的のデータにたどり着くといった画面オペレーション
 にしてもらいたいという要望もあるからね。


【ポイント】
伝票入力などの大量入力作業などがあるかないかは重要な確認ポイントだ。
大量エントリーではいちいちマウスで選択したり、項目移動することはわずらわしい作業
となる。EnterキーやTabキーでの項目移動、10キーでの数値入力などを考慮する必要がある。

また、画面遷移については上記に記載したとおり、使用する業務オペレーションを考慮すると
よい。特に、店舗そして物流センターなどでもそうだが、メインはシステムへのエントリーや
データ参照ではなく、商品の販売、顧客対応、商品の入庫、出庫などの作業だ。
よって、画面遷移は極力シンプルにしたほうが良い。また、どこまで簡略化できるかはスタッフ
の構成や教育体制にも関わる。

具体的には店舗や物流センターにいる要員の社員とパートの比率、また、パートがシステムを
使うか、そして会社としてシステムの導入時などの教育体制が確立されているかどうか。
それにより、多少画面遷移を簡素化しても定着させることができるか、あるいは画面遷移が
多くなっても良いから誰でも使えるような画面構成とするかなどが変わって来る。

一方、本部、特に企画、特売といった計画系業務、商品分析については、良く使用される定型
業務はシンプルな方が良いが、それ以外に様々なデータを見ながら判断、検討するような作業
においては、使う人により様々な切り口、画面連携での参照ができるようにしておいたほうが
よい。

基幹系システム、情報系システムというのは、エンドユーザ(=業務を行う人たち)が触れる
のは画面や帳票といったユーザインターフェースであり、この部分の使い勝手によって評価は
変わる。それがいかに、内部でリアル処理を行い、データが発生してから参照できるまでの
時間が短縮されたり、大量のデータを保持していたとしても関係がない。

画面や帳票といったエンドユーザが直接使い、見る機能についてはその画面、帳票が使われる
環境、シーン、そして、それを使う人たちの本当の業務目的といったことを考慮することが非常
に重要なポイントとなる

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