HOME


流通工房について

各フェーズ定義


トピックについて

Link


サイトマップ

書籍・プロフィール

サイト内検索

-------------------------









流通業・流通システムにおけるシステム設計の実務ノウハウが満載−流通工房

<基本構想>
【キックオフ
<早瀬>
 まず、直近では3日後にHOTスーパーのプロジェクトメンバーを交えてのキックオフ
 ミーティングをやるからその資料作成だ。あと、事前にその内容を山田社長と吉井部長
 に確認することと、山田社長と調整したい事項があるから明後日の10:00にアポをとって
 おいた。ということで、まずは分担して資料を作成して明日の朝一で内部で一回確認を
 しよう

<吉田君>
 最初はまず顔合わせをするだけかと思ったんだけど違うんですね。ちなみにキックオフ
 ミーティングはどのような内容なんですか?

<早瀬>
 まずは当然ながらプロジェクトメンバーにプロジェクトの目的を伝えること。そして
 このプロジェクトのHOTスーパーでの位置づけ。それから、最初の「基本構想フェーズ」
 における体制とスケジュール、運営ルール、会議体の定義かな


【ポイント】
今回のプロジェクトの目的や進め方、そして実際にプロジェクトが始まり、日々の作業を
行っている中で横道にそれたり、判断に迷った時に立ち戻る「原点」を共有するのがキック
オフミーティングです。具体的には以下の内容です。

そして、内容を見てもわかるとおり、こちら側だけで作成して提示するものではなく、個々
の内容について顧客側の社長(あるいは取締役などのプロジェクトオーナー)、プロジェクト
リーダと話をし共有しておく必要があります。

1.プロジェクトの目的
  既存システムの単なる「リプレイス」なのか、今後のビジョンにあわせた戦略における
  システム機能も含めて実装するのか、コスト削減を主眼におくのか、それらの複合なのか
  など顧客側のプロジェクトオーナと目的を定め、それをプロジェクトメンバーに伝えます

2.プロジェクトの位置づけ
 「基幹系システム再構築」は企業の動脈にもあたる「システム全体」の見直しとなります。
  必ずプロジェクトオーナーを社長、あるいは取締役クラスとし会社としての取り組み
  であること、そのプロジェクトで決定したことは「会社としての決定」と同じである
  ということを全体化することが重要です。

  大きな企業で経営企画室のような部署があり、メンバーがそういったメンバーであれば
  慣れているでしょうが、現業部門からメンバーに参画してもらった場合は、メンバー
  としては「?」といった感じかもしれませんが、この部分を明確にしておくことは重要
  です

※この1.と2.についてはキックオフミーティングの前に顧客側のプロジェクトオーナー
 およびプロジェクトリーダーと十分話をし意識の統一を図っておくことが重要です。
 そして、キックオフ用の資料は私たちが作成したとしても、必ずその内容については
 レビューをしてもらい、また、キックオフ当日はこの2点については顧客側のプロジェクト
 オーナーあるいはプロジェクトリーダーから話をしてもらうようにすることが重要です

3.体制
  重要なポイントは以下
  ・TOPに顧客側のプロジェクトオーナーを記載する
  ・体制図には顧客側、システム設計側の双方を記載し、それぞれの位置づけと
   役割を明確にする
  ・必ずプロジェクトリーダには顧客側とシステム設計側それぞれのリーダを記載

  つまり、2.で書いたプロジェクトが顧客の会社としての取り組みであることがわかる
  ようにプロジェクト体制のTOPに社長あるいはそれに順ずる役職および権限を持った人
  を明示すること、そして、顧客と私たちの双方のメンバーをひとつの体制図にまとめる
  ことで目的を同じにしたひとつのプロジェクトメンバーであることをあらわします

4.スケジュール
  プロジェクト形式の仕事に慣れていない人、またシステム構築のプロジェクトがどう
  いったものかがわからない人にとってはこれから、どのようなことをやるのかがわか
  らず不安感を持っています。
  そこで、この段階では概要でかまわないので最初のフェーズの終了がいつで、それ
  までに1〜2週間単位で何をするのか、といったスケジュールを提示します
  
  ※これが全てではありませんが、ひとつの参考としてこの「基本構想」のトップページ
   にプロセス図と主要項目を記載しました

5.運営ルール
  実際に打合せや調査、問題点・課題の解決案の策定といった作業に入ると
  「決めること=責任」となるため判断をしなかったり、わからないことがあると
  「じゃあ、これは次の打合せまでに調べておきましょう」といった形で先延ばしに
  なることが多々あります。

  しかし、プロジェクト自体は限られた時間で行う必要があり、また参加している
  メンバーも専任メンバーだけとは限りません。
  
  例えば、打合せをしていてその場にそのことがわかるメンバーがいない時でももし、
  その場に来てもらえるようであればわかる人に来てもらう、あるはTELで確認する
  などその場で必ずクローズする、そしてどうしてもその場で確認できないものは
  翌日の午前中に確認をして報告するなどのルールを決めておきます。

  なかなか最初はこういったことになれないとうまくいかなかったり反発するメンバー
  もいたりしますが、根気よく必要性を伝え、私たちが率先して行っていくことで
  少しずつできるようになっていきます。
  
  そして実は最初のフェーズに関わっているメンバーはこの後のフェーズでも主要な
  位置づけになる人たちであることが多いため、こういった流れ、スタイルを確立して
  おくことはその後のフェーズでもその流れを維持することにつながるため非常に重要です。

  プロジェクトの進め方、スタイルは初期の段階のものがそのまま引きずることが多く
  また、人数が多くなってから浸透させるのは非常に難しくなります。

  この初期のフェーズでは本来のタスクのほか、こういったプロジェクトの進め方など
  についても顧客側のプロジェクトリーダと十分に意見交換をし、意識を共有すること
  が非常に重要です

6.会議体
  実施作業により異なりますが、主なものとしては以下

  ・ステアリングコミッティ
   進捗報告のほか、全体会議で検討した結果の承認、また、会社としての
   判断が必要な課題、事項の報告と協議
   参加メンバーとしてはプロジェクトオーナーと顧客と私たちのPLおよび
   必要に応じサブリーダ

  ・全体会議
   全体の進捗状況、体制やスケジュールなどの変更がある場合はその全体化
   部門にまたがったり内容的には分科会レベルでは検討、解決できない課題
   の共有と検討
   参加メンバー顧客と私たちのPLおよび各サブリーダー

  ・分科会
   実務担当者による具体的なタスクごとの調査、検討などを行う打ち合わせ
   
  ※それぞれ開催のサイクルも明示しておくこと
   例えばステコミは2週間に1度、毎週月曜日の9:00〜、全体会議は毎週金曜日の
   15:00〜、分科会は毎週末に翌週の予定を確定するなど


質問 このトピックの情報は役立ちましたか?
役に立った
目的の情報と異なったが、参考になった
役に立たなかった

コメント




結果