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流通業・流通システムにおけるシステム設計の実務ノウハウが満載−流通工房

<要件定義1(データ構造)>
在庫入出庫管理】
<吉田君>
 先日、今回の仕組みで『在庫変動ログ』は必ず実装するように言っていましたが
 具体的にはどういった目的のためのデータで、どのような構造になるのですか?

<早瀬>
 通常業務上は特になくても問題ないし、またデータ量が非常に大きくなるのだが
 データ管理、メンテナンスを考えた場合は必ず持っていたほうが良いデータだ。
 簡単に言うと「在庫数」を変動させた入庫、出庫の履歴を管理する情報だね。

 これは流通業において「在庫数」というものは非常に重要なのだが、業務オペレ
 ーションのミスやまた、あってはいけないのだけどシステムバグにより在庫数が
 不正となる場合がある。その時にその原因を突き止め、データリカバリーするた
 めには入庫数、出庫数の履歴は必要不可欠なデータとなる。

 例えばこのボールペンのお店の在庫が100本あったとして、ボールペンが売れれば
 在庫は減るし、また在庫が少なくなれば発注し入庫すると在庫が増えるよね。
 また、入庫した商品に不良品が混じっていて返品した場合はまた在庫が減る。
 つまり、翌日に在庫が80本となっていたときに、どのような変動要素によって80本
 になったかを管理するデータだ。

 そして、実際の在庫数が実は78本だった場合、データ上は80本となっているわけ
 だからどこかに2本差が発生する要因がある。

 例えば売上データの欠落により減産されなかったかもしれないし、返品したのに
 返品伝票を計上していないかもしれない。また、メーカーで欠品していて入荷数
 が2本少なかったが伝票上そのまま処理をしてしまったかもしれない。

 もちろん、元のデータは売上テーブルや返品伝票テーブル、仕入伝票テーブル
 などにあるからその源泉を一つずつ調べれば同じことはできるけど大変な手間と
 なってしまうことはわかるかと思う。こういった在庫の変動=入庫、出庫に
 関する情報は非常に重要だ


【ポイント】
以下に在庫変動ログテーブル(入出庫管理テーブルと呼ぶことも多い)の構成例を記載します
このような項目、区分で在庫に対する変動要素を管理しておくと良い

●テーブル構造
 拠点コード(店舗や物流センターなどの在庫場所を管理するコード)
 在庫区分 (良品、不良品、不明在庫などの拠点における在庫管理区分)
 商品コード
 入出庫区分(発生データが在庫に対する入庫なのか、出庫なのかを表す区分)
 データ発生日
 データ発生時間
 取引先コード
 入出庫数
 入出庫理由コード(入荷、出荷、修正、返品、在庫移動などのデータ発生理由を表すコード)
 伝票種別コード (仕入、返品など伝票を伴う変動の場合の伝票の種別を表すコード)
 伝票番号    (伝票による発生データの場合にのみセットされる)
 伝票明細番号  (伝票による発生データの場合にのみセットされる)
 伝票発行日   (伝票による発生データの場合にのみセットされる)



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